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フランツ・カフカ
ショートストーリーコンテスト

プラハ生まれの作家フランツ・カフカ(1883年7月3日 - 1924年6月3日)2023年に生誕140周年、2024年に没後100年を迎えるにあたり、チェコ、ドイツ、オーストリア、ポーランドの在日文化機関は、「Kafka Projekt 23→24」と題したプロジェクトを立ち上げました

2023年から2024年にかけて、カフカの作品やその影響をテーマに、文学をはじめ多分野のイベントを開催します。

本プロジェクトの第一弾企画として、若手作家のための「フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト」を以下の通り開催いたしました。

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フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト

「Kafka Projekt 23→24」の一環として開催された「フランツ・カフカ ショートストーリーコンテスト」が幕を閉じました。締め切りまでに254作の有効作品が提出され、以下の結果が決定しました。

※選考委員会

上田岳弘、小山田浩子、藤野可織

チェコセンター東京、 ゲーテ・インスティトゥート東京、 ポーランド広報文化センター、 オーストリア文化フォーラム東京

 

最優秀賞『傘』(東京都・仲白針平)
作品を読む
 
  • カフカの作品に見られる“異質な世界に対応しようとする自分”を描いた作品であった。(上田)

  • 傘の傘性についての記述に拘泥するところにカフカっぽさを感じた。もう少し会話で展開していればなお良かったように感じた。(小山田)

  • この不思議な町で異質な存在である主人公がなぜ好奇や非難の目を向けられないのか不可解だったが、最後には腑に落ちるようよく作り込まれていた。(藤野)

 

優秀賞『翳り』(神奈川県・清水翔太)
作品を読む
 
  • 日常に潜む不穏さを繊細な筆致で描こうとしていた。(上田)

  • 物語の流れや感覚を途切れずに書けている。“言葉で言い切れない何か”をとらえようとしている作品。(小山田)

  • 年老いた親への違和感について、それが明らかにおかしいのか通常の範囲内のおかしさなのか、家族だからこそ踏み込めない状況をうまく描いていた。(藤野)

 

3位 該当なし

最優秀賞受賞者には、東京−ヨーロッパ往復の一週間の旅が贈られます。

また、授賞式は11月22日(水)に早稲田大学で開催された「作家が語るカフカ」のシンポジウム終了後に行われました。

受賞2作品およびシンポジウムの再録記事については、「文學界」2月号(2024年1月6日発売)に掲載が予定されています。

参加されたすべての作家の皆様に心より感謝申し上げます。カフカの世界への新しいアプローチを見ることができる貴重なイベントとなりました。

今後の「Kafka Projekt 23→24」の続報もどうぞご期待ください。
 

※掲載作品の無断転載・無断使用を固く禁じます。

参加資格:

締め切り日時点で40歳以下であること。ひとり1作のみ応募可能。

※フランツ・カフカが40歳で亡くなったことにちなみ、カフカと同年代の若手作家より作品を募集します。

※未成年の方でも応募は可能です。ただし応募にあたっては、保護者(法定代理人。以下同じ)にも本応募要項をお読みいただき、保護者の同意を得たうえでご応募ください。

応募作品について:

  • フランツ・カフカやその作品にインスピレーションを受けた商業媒体未発表作品であること。

  • 文字数、書式:6000字以内(Microsoft Word形式で提出)
    A4ヨコに縦書き。
    1ページに40文字×40行で、本文の1行目に作品タイトルを記載。手書き不可。

  • 日本語で書かれたオリジナルのフィクション作品であること。

  • AIによる作品は認められない。

 

スケジュール:

コンテスト発表・応募開始:2023年7月3日(月)
作品提出締め切り:2023年8月31日(木)
受賞作発表:10月末日(ウェブサイトにて)
授賞式:11月22日(火)於 早稲田大学(カフカシンポジウム後に行う)

表彰:
最優秀賞1名 副賞 東京―欧州往復1週間の旅
その他、優秀作品(第2位、第3位)には記念品を贈呈いたします。
※副賞は受賞者本人1名のみに授与し、代理人による渡航は認められません。

審査について:

選考委員会

上田岳弘、小山田浩子、藤野可織

チェコセンター東京、 ゲーテ・インスティトゥート東京、 ポーランド広報文化センター、 オーストリア文化フォーラム東京

 

  • 全ての応募作品は、文学の専門家および主催団体から成る選考委員会によって評価されます。

  • 選考委員会は、応募作品の創造性、文体、物語の構成、テーマの表現などを評価し、最も優れた作品を選択します。

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上田岳弘  ©Takahiro Ueda

1979年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。2018年、『塔と重力』で第68回芸術選奨新人賞を受賞。2019年に「ニムロッド」で第160回芥川賞を受賞。2022年、「旅のない」で第46回川端康成文学賞を受賞。

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小山田浩子 ©Shinchosha

1983年広島県生まれ。2010年「工場」で第42回新潮新人賞受賞。2013年、同作収録の単行本『工場』で第30回織田作之助賞受賞。2014年「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。著書に『工場』『穴』『庭』『小島』(以上新潮社刊)、『パイプの中のかえる』(ignition gallery刊)。著書はアジアや欧米で翻訳・出版されている。

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藤野可織 ©森山祐子/anan

小説家。2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞、2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞を受賞。近作に、『私は幽霊を見ない』(角川文庫)、『ドレス』(河出文庫)、『来世の記憶』(KADOKAWA)、『ピエタとトランジ』(講談社文庫)、『青木きららのちょっとした冒険』(講談社)などがある。7月、『爪と目』(新潮文庫)の英語版"Nails and Eyes" (translated by Kendall Heitzman)をPushkin Pressより刊行予定。

注意事項:

※著作権に違反するもの、公序良俗に反するもの、他人のプライバシーを侵害ものは審査から除外いたします。入賞後に作品に問題があると判断された場合、主催者は入賞の取り消しおよび賞品などの返還要求を行うことができます。

※著作権、肖像権などに関するトラブルの責任は、主催者は一切負いません。応募作品に関して法律上の問題が生じた場合、応募者の責任および負担において、その一切を解決するものとします。

※応募の時点で、応募者は募集要項に記載の諸条件に同意したものとみなします。本応募要項に明記されていない事項については、主催者が最終的な決定権を持つものとします。主催者の決定に同意できないときは、応募者は応募を撤回することができます。なお、応募の撤回にともなう費用は、すべて応募者の負担となります。

※応募時に提供していただく個人情報は、本企画運営の目的のみに使用いたします。なお、受賞の際には名前またはペンネーム、都道府県、作品の題名が公開される予定です。

※応募作品の著作権は応募者に帰属します。提出作品の発表および書籍・ホームページ・その他の印刷物としての掲載や出版、展示に関する権利は主催者が保有します。

※作品および申し込み時の情報は、コンテストの運営にのみ使用し、その後2025年1月末をもって削除するものとします。(ただし、本人の同意のもとでニュースレター等の配信先として登録する場合を除きます。)受賞者についてはこの限りではなく、受賞後に契約書を交わし取り決めを行います。

※審査結果や作品の評価等に関する個別のお問い合わせには回答しかねますのでご了承ください。

※スケジュールや諸条件については状況に応じ予告なく変更になる可能性があります。ご了承ください。


 

主催:チェコセンター東京、 ゲーテ・インスティトゥート東京、 ポーランド広報文化センター、 オーストリア文化フォーラム東京

協力:早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)

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